アクシス2021年6月18日「子育てママのティーパーティー」
SNS(ソーシャルネットワークサービス)はとても便利なツールで、居ながらにしてこれまでお付き合いのあった方々の動向を知ることができます。最近とても感動したのは、10年以上前の出来事の写真付きの投稿でした。コメントには「今でも続けています」とありました。
前社で日本支社長としての仕事をするようになったのが2007年。以来14年間、理想の実現のために会員の皆さまと全力で取り組んできました。それは、事業を通して「人を大切にし、人の可能性を最大化すること」です。ここで大切なのは、「人」には老若男女すべての方が含まれるということ。どなたも除外されるようなことがあってはなりません。
ところが、会員の皆さまが集うミーティングに出てみると、ある特定のグループの方々の参加が極端に少ないことに気づきました。それは、子育て真最中のお母さま方です。たまにお子さま連れで出席してくださっている方もいらっしゃるのですが、お子さまのことを気にしながら後ろの方で小さくなっていらっしゃいます。一般的にビジネスにおいて職場に子どもを連れてくるということはタブー視されており、業界的にも望ましくないものとされていました。
これではいけないと思った私はこう宣言しました。「お子さまは宝物です。そのお子さまを育てるお母さま方はとても大切な存在です。そのようなお母さま方が私たちの集まりから除外されることがあってはなりません。たとえお子さまが声を出したり歩き回ったりすることがあっても、みんなで助け合いましょう」。
皆さまの理解と協力を得て、私どもの集まりにはお子さま連れの方々が多く見られるようになりました。また、要望を受けて洗面所にはおむつ交換ボードも設置しました。そんな中で、会員の方々が自主的に始めてくださったのが「子育てママのティーパーティー」と呼ばれる定例会です。小さなお子さまを持つ方々が集まって気軽に情報交換を行う会ですが、それが10年以上続いているのです。セミナールームの後方にはブランケットを広げておもちゃを置き、小さな子どもたちが自由に遊べるように工夫してくださっています。
あれから10年以上経った今、参加してきた親御さんはいつまでもお若いですが(笑)、お子さまは成長しますよね。0歳の子が10歳になるわけですから。10年前の写真を見ながらそこに写っていた赤ちゃんたちの成長した現在の姿を見た時に、胸がいっぱいになりました。
時の流れは試金石です。価値あるものとそうでないものを選別してくれます。「子育てママのティーパーティー」が10年以上も続いていることに心より敬意を表すと共に、この集まりの底に流れる想いをこれからも末永く大切にしていただけるように願っています。