アクシス2021年5月28日「やり残した仕事」
東京五輪開会式までいよいよ2か月。それまでにコロナを収束させることができるか、いよいよ正念場です。お元気でしょうか。24年ぶりのスーパームーンと重なった皆既月食、とても楽しみにしながら空を見上げていたのですが、残念ながら関東では雲に隠れて見えませんでした。代わりにインターネットでライブ映像を見たのですが、一緒にいた孫たちもスクリーンの中で展開される出来事には今一つ関心がなく、早々に別の遊びを始めてしまいました。次回のスーパームーンと重なる皆既月食は12年後の2033年だそうです。12年後と言えば、今回一緒に空を見上げた孫娘たちはそれぞれ20歳、18歳、13歳。果たしてまた一緒に空を見上げてくれるでしょうか。ちなみに12年後の私は85歳ですが、このブログは続けていると思います(笑)。
さて、先週金曜日の「モジュールゼロ」のウェビナーで、ビクトール・フランクルの人生の使命(ミッション)の定義をご紹介しました。それが「やり残した仕事」です。ビクトール・フランクルと言えばホロコーストからの生還を果たしたオーストリア人精神科医で、自らの凄惨な体験を通してナチスドイツによるユダヤ人虐殺を赤裸々に描いた書物『夜と霧』が有名です。
彼が生還できた大きな理由は、「自分の仕事はまだ終わっていない」「やり残した仕事がある」という強烈な想いでした。その強烈な想いは彼に、自分自身を俯瞰する力を与えます。自分自身が置かれた状況を別の視点から客観的に眺める力です。また、現実を超えた未来の自分自身の姿をありありと想像する力も彼に与えました。収容所から解放されてオーストリアに戻り、大学で大勢の若い学生を前に自分の体験を話している姿です。その強烈な想いは現実となりました。
このブログをご愛読いただいている方々の中には、人生の集大成を迎えつつある方も大勢いらっしゃることと思います。「やり残した仕事」はありませんか。私も昨年12月に、14年間全身全霊を傾けて働いてきた会社を退職することになりましたが、「志半ば」の感はぬぐい去ることができませんでした。自分にも「やり残した仕事」があると強く感じたのです。
今、その想いをこの「モジュールゼロ」の活動に込めながら、これを私の「新たな使命」として、これまでの枠を超えたより多くの方々と志を共にできることをうれしく思っています。
私を突き動かしている強烈な想いは、「人って素晴らしい!」ということです。人は不完全な存在ですが、それを許し合い、人に内在する無限の可能性を信じてその実現のために互いに助け合う姿を実現することができる。人はそんな素晴らしい存在だと私は信じています。この「やり残した仕事」に皆さまと一緒に取り組むことができることを光栄に思います。