アクシス2021年11月29日「恩送り」
いよいよ明後日からは師走。朝夕の気温が一段と下がっていますが、お元気でお過ごしでしょうか。感謝祭からクリスマス、そして年末に向かう今の時期は1年のまとめとして、今年受けた恵みおの数々を思い起こし、感謝をささげる時期でもあります。
皆さんは今年の生活の中でどのようなことに感謝されるでしょうか。1年半にわたって私たちを苦しめ続けてきた新型コロナウィルス感染症の蔓延も第5波以降収束を見せ、規制も緩和されて人の動きも活発になってきました。しかし、まだまだ経済全体が元に戻るまでには至っていませんし、南アフリカで発見された新型株の脅威も懸念されるところです。
私の場合は、昨年末の退職以来、ほとんど外出することのない日々でしたが、とりわけそのような中で、私ども夫婦ならびに子供たちの家族全員が健康な生活を送ることができたことに感謝したいと思います。孫娘たちと毎日笑顔で過ごせることも幸せなことです。また、昨年末まで14年間、素晴らしい方々と同じ志を持って全力で働くことができたことを心より感謝したいと思います。私にとってとても充実した日々でした。何とか恩返しを、と考える日々です。
相対性理論のアインシュタインはこう語っています。
「自分自身の生活は内面的にも外面的にも、生者も死者も含め他人の骨折りに支えられている。私がこれまで受けたもの、そして今なお受けつつあるものに劣らぬお返しをしなければならない。私はそのことを日々、自分自身に言い聞かせている」
日本には古くから「恩送り」という言葉があります。恩を受けた相手が亡くなっていて直接恩返しができない場合、自分が受けたと同じことを他の人に行うことによって恩を次世代に送るという意味です。
私も今年74歳を迎え、これまでの人生の中で受けてきた恩は数え上げればきりがありません。その中で他界されたために直接恩返しができない方も数多くいらっしゃいます。そのような方々には「恩送り」をしたいと思います。
「恩送り」の具体的な方法の一つは、「言葉」と「行動」の両方で後世に伝えていくことです。「あなたの今の家庭は不幸せかもしれない。でも、あなたが自分で作る家庭は最高の家庭にしなければね」と諭してくださった隣のおばさんはもういません。私の「恩送り」はそのエピソードを必要な人々に伝えると共に、自分自身がそれにふさわしい生活をすることです。
2021年の締めくくりの時期、受けた恵みを数え上げて感謝しながら、「恩送り」を実践しましょう。「恩送り」は幸せな人を増やします。「自分が変わり、人が変わり、世界が変わる」のですから。