アクシス2021年10月21日「日本人のまじめさ」
この1週間で季節が一気に進んだと感じます。お元気でしょうか。秋を通り越してそのまま冬に突入したような気温の変化ですね。体調管理には十分気を付けましょう。
留学時代に生活したアメリカのユタ州のプロボという山間の町も、標高が高いことから春と秋が極端に短く感じられました。海抜3,000メートルを超えるワサッチ山系に囲まれた町には5月になっても雪が降ることがあるのですが、6月になると急激に気温が上昇し、草花が一斉に花を咲かせます。そして強烈な日差しが照り付ける期間が長く続いて10月の声を聞くと、山々の冠雪が頂から次第に降りてきて、長い冬が始まるのです。日本も春と秋が短い、四季の移ろいを感じにくい国に変わっていくのでしょうか。地球温暖化の影響が懸念されるところです。
さて、コロナに関して日本人の「まじめさ」が話題になっていることをご存じでしょうか。急激な感染率の低下について、ワクチンの接種率やマスク着用率の高さ、感染防止のための遵守事項への真剣な取り組みなど、日本人の国民性である「まじめさ」にその理由を求める論調が次第に強まっている気がします。皆さまはどう思われますか。
確かにこの『まじめさ』を、「封建時代の士農工商の身分制度に端を発するものであり、忖度やいじめなど同調圧力を生む原因となっている」として懸念する向きもあります。しかし私は、逆に今後これを日本民族の優れた特質の一つとして、「人の可能性を高めるための大切な要素」と位置付けて伸ばしていくことにより、それこそ国家発展のブレークスルーにすることができると期待しているのです。『7つの習慣』でスティーブン・R・コヴィー博士が述べている「人格主義」は、まさにこれに当たるものです。
ただ、この「まじめさ」には条件があると思っています。自分も含めて人に対して誠実かつ正直であることは言うまでもありませんが、それに「柔和さ」と「謙虚さ」が加わる必要があると思うのです。「柔和さ」と「謙虚さ」は、自分を含め人は不完全であることを理解した時に生まれる特質です。
今年アメリカ大リーグで大活躍の大谷 翔平選手。彼こそ「まじめさ」に「柔和さ」と「謙虚さ」を加えた理想の姿を体現した日本人ではないでしょうか。高校1年の時に書いた曼荼羅チャートには、「運」を引き寄せるものとして「あいさつ」、「ゴミ拾い」、「部屋そうじ」、「道具を大切に使う」、「プラス思考」、「応援される人間になる」、「本を読む」、「審判さんへの態度」の8つを挙げています。
大谷選手のような日本人が輩出することを望むと同時に、自分もそうならなければと思っています。