アクシス 2021年4月2日
「アクシス(Axis)」は「風の時代」を幸せに生きるために欠かせない「軸」を意味します。人生の揺るぎない、しかもしなやかな「軸」のヒントをシリーズでお送りします
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いよいよ4月。新年度がスタートしました。新型コロナウイルス感染拡大との闘いの日々はなかなか終わりそうにありませんが、今こそ人類の英知を信じながら、個人がそれぞれに希望を持って自分ができることを実践する時ではないでしょうか。
さて、大相撲3月場所。関脇照ノ富士関が12勝3敗で3度目の幕内優勝を果たし、場所後の大関復帰を果たしました。膝の大けがや糖尿病などで序二段まで陥落し、引退を考えたこともあった照ノ富士関ですが、親方の励ましや奥さまの支えもあって21場所ぶりに大関復帰を果たすことができました。驚くべきことです。並大抵の努力では果たせなかったことだろうと思います。本人も、「序二段の頃は、今ここにいる自分は想像できなかった」と記者会見で述べています。しかし、大関復帰を果たした今、NHKの大相撲解説の北の富士勝昭さんをもって「今の大関を加えた中でも、最有力の横綱候補だろう」と言わせるほどの充実ぶりです。
実はもう一人、この3月場所で、しかも同じ序二段で再起をスタートさせた力士がいます。以前「幸せの仕掛人」でご紹介した尾車部屋の友風勇太さんです。前頭上位まで昇進して将来を嘱望されながらも、土俵下に転落した時に膝関節を故障。治療のために休場を続けるうちに番付が序二段55枚目まで下がりました。昨年お会いした時にはまだ痛めた方の足を引きずっていました。尋ねると、「もう元には戻らないんですよ。だから身体障害者手帳を持っているんです。『身体障害者手帳を持った幕内力士』というのもいいでしょう?」と言っておどけていました。
場所中は毎日、大相撲速報で友風さんの取り組みの結果をチェックしていました。優勝こそ逃がしましたが、6勝1敗の好成績でした。これから三段目、幕下、十両と着実に番付を戻していくことでしょう。友風さんにとって照ノ富士関の活躍は大きな支えになっているようです。当然ですね。
ジャック・キャンフィールドが説く「成功の法則」の1番目は、「自分の人生に100パーセント責任を持つ」です。これは『7つの習慣』の第1の習慣である「主体的である」と同じで、すべての成功の法則の基本となるものです。友風さんはこの法則をしっかりと理解し、新たな人生に向かって小さな、しかし確かな一歩を踏み出しました。年度初めの今、そして特にコロナで不自由を強いられる状況の中で、私たちも自分自身の生活をもう一度振り返り、人のせいにすることなく「自分の人生に100パーセント責任を持つ」決意をしたいものです。